落語って頭にいい?!
最近、僕はタイガー&ドラゴンというドラマの影響で落語を聴き始めた。
その中でも、特にツボにはまったのが、桂枝雀(しじゃく)さんの落語。すでに故人となって随分たつけれども、子どもの頃にテレビでその異様なテンションとオーバーアクションは頭から離れず、TSUTAYAで借りてみたところ、あの変なおじさんの面白さが分かった。
落語家というのは落語を紹介するというイメージが僕にはある。もちろん、話の中でいろんな人々に化けるのだけど、どこかこんな話が昔ございまして、その中の一節がこんな感じですという感じがする。
ところが、枝雀さんの落語は語り始めると、一瞬にして世界が一変する。登場人物はいきいきと動き出し、どたばたと暴れまくる。その言い方、節回し、たたみかけるような早口なのにどんどんどんどん引き込まれる。
枝雀さんの口癖は「笑いとは緊張と緩和」だそうだけど、あの早口が止まった途端、そこには独特の間と緊張感が生まれる。その手綱さばきの見事さは、やっぱり群を抜いていると思う。
こんな落語家が存在したのかという驚きは、「枝雀落語大全」40巻まで借りさせるに至った。1枚のCDには容量いっぱいまで入っているので、曲数に直せば優に600曲は超える。それが今、手の平のiPODに収まっている。これだけの話の豊富さは師匠にあたる米朝さん以外には無いかもしれない。
ホントはあのものすごい身ぶり手ぶりも堪能したいのでCDじゃ不満なんだけど、それでも電車の中で聴くには耐えられない面白さ。これだけのお話しを覚え、あれほどの完成度を誇るなんて、人間の能力というのは限界が無いのかとさえ思います。
ところで、落語は頭脳にいいと僕は思う。情景を頭に浮かべ、ひねりの効いたオチにうなずく。そして、何より笑いがもたらすリラックス感は頭に悪いはずがない。ましてや、枝雀落語には速聴効果もある(笑)
寝る前に聴くと嫌な事は全て忘れ、腹を抱えて笑ってしまう。
目下の悩みは、笑いすぎて眠れない事だろうか。
お後がよろしいようで…
- アーティスト: 桂枝雀
- 出版社/メーカー: EMI MUSIC JAPAN(TO)(M)
- 発売日: 2000/04/26
- メディア: CD
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