2006-09-01から1ヶ月間の記事一覧

やっぱり伊藤くんのひとりごと

64 しんみりと、である。 秋の夜長はしんみりとである。 この小説もどきは、時系列が一様ではない。季節はいかようにも変化し、話題も一定ではない。 そんな風にして今日もこの話は始まる。 学生の伊藤くんにとって、秋という季節は微妙である。 秋にどんな…

伊藤くんのひとりごと

63 靴が道端に落ちていた。 片方だけ、である。 その時、人はどういう反応するか、これはそういう実験なのかもしれないと思う前に、まず誰が落としたのだろうと伊藤くんは考えた。 人間の頭脳というのは空白を埋めようとするようだ。 理解できない物に出会う…