<算数のお時間>デジタルとアナログの違いって?

 今日はデジタルとアナログのお話をします。

 デジタルって何でしょうか?

 僕が真っ先に思い浮かべるのは時計です。

 では、ここでもう一つ「はてな?」

 デジタル時計とアナログ時計の違いって何?

 針があるかないかですよね。もう少し言えば、デジタル時計は正確に何時何分と数字が表示されています。

 一方、アナログ時計は目分量で時を刻みます。

 どういう事かと言いますと、アナログ時計は一目で今1時間の何分の1かが分かるという事です。

 まるで円グラフのようにもう半分(=30分)かとか4分の1か(=15分)と把握できるわけです。

 もちろんデジタルだって、計算すればできますよ。

 でもどちらがイメージ化するのに早いかと言えば、僕はアナログに軍配があがると思います。

 例えば、車の速度メーターがデジタル表示だと困りませんか?

 絶えず数字に変化があって、運転どころではありません。

 燃料メーターも大体あとどれくらいで底がつくかはアナログの方が分かりやすいと思います。

 少し話はズレるかもしれませんが、プレステからプレステ2に移行して困ったなと毎回思うのが、メモリーカードの残量です。それをアナログと呼ぶかは微妙ですが、プレステ1ではメモリーカードの残りデータはブロック単位で表示されていました。

 だから、僕たちはゲームを買う時、何ブロック必要かを確認すれば、特に困りませんでした。1Mで15ブロックというのが基準です。

 しかし、プレステ2ではデータ量がそのまま数値化されています。

 去年大ヒットを飛ばしたドラゴンクエスト8のパッケージには178KBとあります。プレステ2メモリーカードは8Mですから、KB(キロバイト)に直すと8000KBもある事になります(実際はシステム保存領域があるので、使用領域はもう少し減りますが)。だから引き算をすればいいのですが、僕のメモリーカードにはすでに他のゲームのセーブデータがたくさん入っていますから、そう簡単ではないのです。

 うわっ、面倒臭いなってわけです。いちいち残量データの数字を覚えていませんから、やたらデータを食うソフトを買う時は迷ってしまいます。

 今や家庭に一台となりつつあるHDD内蔵のDVDレコーダーも600GB内蔵だ!とか言われても、じゃあ番組はいくつ録画できるんだろう?と思うのが普通です(まっ、だからカタログに目安が書いてあるわけですが)。

 さて、話を時計に戻しますと、デジタルではやっかいな時間計算というのがあります。

 ここからは『快感!算数力』から引用して、クイズを出します。アナログ時計は見ずに考えて下さい。

(問1)10:40分の1時間15分前は何時何分でしょう?

(問2)10:40分の1時間45分前は何時何分でしょう?

 ではしばらく考えてみて下さい。

 はい、そこまで(笑)


 問1は簡単です。ただの引き算ですから、10−1と40−15で、9時25分ですね。

 しかし、問2となるとこれがなかなかうまくいきませんね。アナログ時計なら針を回せば分かるのですが、数字でみるとなかなかうまくいきません。

 それはなぜかと言えば、40分から45分が引けないわけです。

 つまり大から小は引けても、小から大は引けないのですね。

 だから、中には10時40分を9時100分に直して、そこから1時間45分を引き、8時55分と答えを出した方も多いでしょう。

 しかし、この本ではちょっとした発想の転換で、簡単に計算できる方法が紹介されています。

 先程、僕は小から大が引けないと書きました。

 しかし、これは数字的には正しくありません。

 なぜですか?

 そうです、マイナスという概念があるからです。

 ではこれをそのまま使いましょう(笑)

 まず10時から1時間を引きます。9時ですね。

 次に40分から45分を引きます。

 いくつですか?

 そうですマイナス5分です。

 ではマイナス5分とはアナログ時計ではどういう状態でしょうか?

 プラス5分なら時計の針が5分先に進むわけですから、マイナスとは戻ることを意味します。逆回転というわけです。

 その事はつまり、〜分前という事ですね。

 では、9時の5分前ということで、8時55分が正解ということになります。

 ねっ、簡単でしょ。

 これが何の役に立つかは本を読んで頂くとして、僕が思いついたのはカラオケボックスの残り時間です。

 僕は大のカラオケ好きなのですが、2時間予約する事が多いのです(フリータイムでガンガン歌う時は、それ以上)。

 で、本当は計算しやすいようにきっちりした時刻に入室したいわけですが、なかなかそううまくはいきません。

 例えば、20時17分とかになるわけです。

 1時間くらいならまぁ、計算も楽ですし、大体どれくらいか分かりますが、今仮に2時間の予約でふと時計を見ると21時5分だとします。

 これなら2時間後の退室時間は22時17分ですから、あと1時間12分だとすぐ分かりますね。

 では、21時33分だったらどうでしょう?

 今までの僕なら、考えるのはやめますね(笑)

 でもさっきのマイナス計算を使えば、22時から21時を引いて1時間が残り、17から33を引いて(別に33から17を引いて後でマイナスをつけてもよい)−16分で、さきほどの1時間(60分)から引けばあと44分ある事が分かります。

 これは本に載っていた例ですが、パーキングメーターも同じように考えれば、ショッピングや遊びも無駄なく時間を使えるはずです。

 これは時間制限が15分、30分、1時間刻みという枠の中で、何かをする時に便利な計算法です。

 ただ、アナログ時計なら針を進めれば大体の時間量が分かるので、計算しなくてもいいですね。

 つまり、人間はアナログ感覚だという事なのでしょう。

 例えばかつての証券取引所は、株の売り買いデータを人間が走り回って伝えていたそうです。

 当然ながら、そこには一種の場の空気というものが発生します。

 しかし、現在はネットワークで取引するために、単なる数字データのやりとりになっているわけです。だから、かつての場の空気を見るというようなアナログ感覚はもうそこには無いのですね。

 1997年10月、香港で株価が急落したのを引き金に世界的に株価が乱高下したのはコンピューターの情報がアメリカに伝わり、大量に株が売りに出されたため、コンピューターに支障が起きたのが原因と言われています。

 現代の私たちは昔の人に比べると知らなくてもいい事まで知ってしまう面があります。昔であればせいぜい近所のニュースしかなかったものが、やがて世界のニュースを知るようになりました。

 情報を取捨選択する目はデジタルではなく、アナログである事を忘れない必要があるのかもしれませんね。
 
 では今日はこの辺で。

快感!算数力

快感!算数力