<法律のお時間>労働って大変だゾ!
大人になると大半の人は会社勤めを経験します。
つまり労働ですね。
学生の時には聞き流していた労働法も、社会に出ると身近に感じ、条文が気になったりします。
という事で、ちょっと労働基準法を覗いてみました。
やっぱり気になるのは「休憩」ですね(笑)
この項目は労働基準法(以下労基法)第34条に規定があります。
第34条
1.使用者は、労働時間が6時間を超える場合においては少なくとも45分、8時間を超える場合においては少なくとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。
2.前項の休憩時間は、一斉に与えなければならない。ただし、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、この限りでない。
3.使用者は、第一項の休憩時間を自由に利用させなければならない。
働いてる方なら、なかなか興味深い規定ですね〜。
もちろん、例外があります。There is no rule but has some exceptions.例外のない規則はないのですね〜。
まず1番の休憩時間についてですが、例えば、パートタイマーの方が休憩時間をなくして早く帰りたいといった場合は休憩時間をカットしてもいいのでしょうか?
答えはノーです。
この規定は強行法規です。つまり守らないと違法なのです。
では、残業が長時間に及ぶ場合は60分の休憩時間以外は与えなくてもいいでしょうか?
答えはイエス。
一時間の休憩を与えていれば、労基法違反にはなりません。しかし、残業がほぼ日常化しているような場合は、健康面から考えてもそれなりの休憩をもらうべきでしょう。法律に規定があると言っても実際は職場の人間関係などで言いにくいという現状の方もおられるでしょうが…。
2番の一斉付与の例外ですが、例えば、次の事業は適用されません。
運輸交通業、商業、金融・広告業、映画・演劇業、通信業、保健衛生業、接客娯楽業、官公署。
つまり、役者さんやデパートの店員はみんなで休憩に出なくていいわけです。確かにお昼に店が閉まってても困りますしね(笑)
では、来客や電話の応対があるような工場の管理部門で働く人はどうでしょう?
業種としては製造業という事になりますから、一斉休憩が適用されます。従って、管理部門だけでも交替休憩制を採用するには、労使協定の締結による一斉休憩の適用除外の手続きを踏まなければいけません。
3番の自由利用についてですが、次の業種に就かれている方は適用除外とされます。
警察官、消防史員(りいん)、常勤の消防団員及び児童自立支援施設に勤務する職員で児童とともに起居をともにする者。また所轄労働基準監督所長の許可を受けた、乳児院、児童養護施設、知的障害児施設、盲ろうあ児施設及び肢体不自由児施設に勤務する職員で児童と起居をともにする者。
世の中にはいろんな業種の方がおられるものですね。ちょっと頭が下がる思いです。
さて、倉庫などで荷物の搬入、搬出をされている方がいたとしまして、荷受けの都合上から一時間の休憩を廃止し、途切れた時間に随時休憩を与えるのは合法でしょうか?
いわゆる手待ち時間の長い業種の方の休憩ですね。
確かに、荷受けが集中する時とそうでない時には忙しさに差があります。
しかし、休憩中いつ何時荷物がくるかは分かりませんから、単に業務に従事していないというだけでは休んだことになりません。先程の工場の話と同じく、労使協定によって、交代制の休憩をとるべきでしょう。
但し、休憩時間の利用について防犯上や機密漏洩(ろうえい)防止などの観点から事業場の規律保持上に必要な制限を加えることは、休憩の目的をそこなわない限り差し支えないという通達がされています。そういう命令がお上から出ているのですね(笑)
また、事業場内において自由に休息し得る場合には必ずしも違法にはならないという行政解釈もあります。だから、休憩時間中にどこに行ってもよいとはいえ、会社内に自由に休憩できる条件が整っているのであれば、外出を許可制にするなど業務事情によって制限を加えることができるわけです。
僕のように休憩室で携帯型ビデオを見たり、ゲームをしたり、マンガや新聞を読むのは構わないわけですね(もっとも周りから見ればどうかは別として)。
特殊な業種に就かれている方の休憩時間って難しいですよね。
例えば、昼夜交替勤務に就く方は夜間に継続して4時間の睡眠時間を与えた場合は、その時間を休憩時間として取り扱っても構わないし、小学校教員の授業の合間のいわゆる休憩時間は、自由に利用することができる時間であれば、休憩時間とみなすなんて通達もあるそうです。
最後に休憩付与の除外というのがあります。
なんと休憩を与えられない人がいるんですね〜。但し、与えないことができるであって、あくまで限度に合わせた特別規定です。
どのような業種の方かを挙げますと、
1.運輸交通業又は郵便若しくは信書便の事業に使用される労働者のうち、列車、気道車、電車、自動車、船舶又は航空機の乗務員で長距離にわたり継続して乗務する者。但し、車内販売員は含みません。
2.郵便、信書便又は電気通信の事業に使用される労働者で屋内勤務者30人未満の郵便局において郵便、電信又は電話の業務に従事する者
3.乗務員で1に該当しないもののうち、その者の業務の性質上、休憩時間を与えることができないと認められるものであって、その勤務中における停車時間、折り返しによる待ち合わせ時間等の合計が休憩時間に相当する者
だそうです。僕はブログの下書きを大体携帯でするのですが、さすがに今回は疲れました(笑)
では今日はこの辺でお許し下さい。
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