<人間のお時間>第二弾!

 問題:「たとえば著作でも、書き続けるというのは一つのエネルギーを循環させるコツですよね。たくさん書いていれば内容が薄くなるという人ももちろんいるだろうけれど、それはその人の器であってセーブしなくても薄くなると思う。本当にすごい人というのはすごい量ができる。ピカソは一日一枚のペースよりももっと早いペースで描いていたし、ビバルディだって僕らが聴ききれないくらい作曲している。バッハもモーツァルトもそう。そういうイメージが日本人にはないでしょう。一度すごいものを作ればそれでいい。あとは細かいところに工夫を凝らすみたいな、盆栽のようなイメージ。でもそうじゃない。モーツァルトは注文があればずっと作り続けることができたし、量的に圧倒的なスケールがあった。要するにエネルギーを出し続けているが故に、技も磨かれていく。そんなスケールの大きい仕事に僕は憧れていたんです。」ー『自分を活かす極意』(マガジンハウス)齋藤孝より

 あなたはどう思いますか?

 考えるヒント:「転がる石に苔は生えない」や「情けは人のためならず」のように解釈が逆になる言葉を考えてみよう。
 
 僕なりの解説:確かに日本人には一発当てればOKという考えがあるように思う。

 しかし、最近では僕もこの循環が停滞しないコツだと思うようになった。信じてもらえないかもしれないが、僕は文章をなかなか書けずに過ごした時期が長くあった。書きたい事はあるのだけど、文章力に自信が無いというのと生来の怠け癖が邪魔してなかなか文章を書く事に積極的になれなかった。

 結局、書けないから書かないという悪循環は長い間僕の心を支配し、何も生み出される事は無かった。

 それが、ブログサイトを持つ事によって少しずつ循環し始め、その後は加速度的に文章を書く事が楽しくなった。今では、文章を書かないとイライラしてしまうほどだ(笑)

 長くなりますが、ここで文章に対する二つの素敵なセリフを紹介させて頂きます。

 「人は誰でも文章を書くことができるし、また、書くべきである。一歩踏み出す勇気があれば、きっと書く。文章には不思議な力がある。あらゆる分野の芸術と同様、文章は命の水である。命の水に値段はない。飲み放題である。心ゆくまで、存分に飲めばいい。」(スティーブン・キング『小説作法』)

 「自分自身の文章を身につけるというのは、とてもむずかしいことです。しっかりと生きて、たくさん本を読んで、文章を書く訓練を続けて…。それでもなおかつ足りないという場合が数多くあります。僕も模索につぐ模索を続け、今でも模索しています。ほんとうに。僕の考える文章とは、「他の誰とも違うけれど、誰にでもよく分かる文章」です。言うは易くですが。」(村上春樹『夢のサーフシティ』のファンへの返答から)

 

齋藤スタイル―自分を活かす極意

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小説作法

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村上朝日堂 夢のサーフシティー

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スメルジャコフ対織田信長家臣団

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